最高裁:最新判決【市街化調整区域内における開発許可処分取消請求事件 】
事件番号 | 平成27(行ヒ)301 |
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事件名 | 開発許可処分取消請求事件 |
裁判年月日 | 平成27年12月14日 |
法廷名 | 最高裁判所第一小法廷 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 棄却 |
原審裁判所名 | 東京高等裁判所 |
原審事件番号 | 平成26(行コ)408 |
原審裁判年月日 | 平成27年2月25日 |
裁判要旨 | 市街化調整区域内における開発行為に関する工事が完了し検査済証が交付された後における開発許可の取消しを求める訴えの利益 全文は → こちら(PDF5ページ) |
POINT渡辺先生から一言
行政訴訟には、訴えの利益という概念があり、当事者にある程度の利害関係がなければ、裁判所が判断をせずに、門前払いとなってしまうという仕組みがあります。この仕組みは、行政訴訟が利用しづらいといわれる所以ですが、伝統的に、確固として認められてきた法理論であり、基本構造は、固まっています。
これに対し、行政に対する司法のチェックをなるべく働かせようとして、少しずつ、司法判断の門が広がりつつあります。この最高裁判決も、そのような流れの中で、捉えることができます。
もっとも、最高裁は、建築確認について、建築工事完了後に建築確認を取り消すことには意味がなく、建築工事の完了によって訴えの利益は失われるという立場をとっています(最判昭59.10.26)。最判平成27.12.14では、「市街化調整区域内にある土地を開発区域とする開発許可に関する工事が完了し,当該工事の検査済証が交付された後においても,当該開発許可の取消しを求める訴えの利益は失われないと解するのが相当である 」としていますが、これらの判断の整合性などについては、これから整理が必要になると思われます。
これに対し、行政に対する司法のチェックをなるべく働かせようとして、少しずつ、司法判断の門が広がりつつあります。この最高裁判決も、そのような流れの中で、捉えることができます。
もっとも、最高裁は、建築確認について、建築工事完了後に建築確認を取り消すことには意味がなく、建築工事の完了によって訴えの利益は失われるという立場をとっています(最判昭59.10.26)。最判平成27.12.14では、「市街化調整区域内にある土地を開発区域とする開発許可に関する工事が完了し,当該工事の検査済証が交付された後においても,当該開発許可の取消しを求める訴えの利益は失われないと解するのが相当である 」としていますが、これらの判断の整合性などについては、これから整理が必要になると思われます。