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地裁判決《建物明渡請求の正当事由と立退料》関係・1件

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判例2・地裁判決【都市再生緊急整備地域における建物明渡請求の正当事由と立退料】

裁判年月日 平成27年1月30日
裁判所名 東京地裁
裁判区分 判決
事件番号 平23(ワ)35901号・平24(ワ)2128号
事件名 建物明渡請求事件、承継参加申出事件
主文 1 原告の請求を棄却する。
2 被告は,参加人に対し,参加人から2376万円の支払を受けるのと引き換えに,別紙物件目録記載2の建物を明け渡せ。
3 参加人のその余の請求を棄却する。
事実及び理由(抜粋)

第1 請求

1 原告の請求

被告は,原告に対し,原告から1147万8000円の支払を受けるのと引き換えに,別紙物件目録記載2の建物を明け渡せ。

2 参加人の請求

被告は,参加人に対し,参加人から2225万円又は裁判所が相当と認める額の金員の支払を受けるのと引き換えに,別紙物件目録記載2の建物を明け渡せ。

第2 事案の概要

本件は,①別紙物件目録記載1の建物(以下「本件建物」という。)の一部である同目録記載2の建物部分(以下「本件貸室」という。)の賃貸人である原告において,本件貸室の賃借人である被告に対し,本件貸室の賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約」という。)の解約の申入れをし,これについて,本件建物の敷地である別紙物件目録記載3の土地(以下「本件土地」といい,本件建物と併せて以下「本件土地建物」という。)を対象地の一部とするa駅周辺地区の再開発計画の円滑な遂行のための本件建物の使用の必要性等のほか,立退料として1147万8000円の給付をする旨の申出をすることにより,正当事由が認められるとして,本件賃貸借契約の終了に基づき,上記金員の支払を受けるのと引き換えに本件貸室の明渡しを求めるとともに,②上記解約申入れの後に原告から本件土地及び本件建物の所有権を譲り受けてその旨の所有権移転登記を経由し,本件貸室の賃貸人の地位を承継したと主張して承継参加を申し出た参加人において,被告に対し,立退料として2225万円又は裁判所が相当と認める額の金員の給付をする旨の申出をしたとして,本件賃貸借契約の終了に基づき,上記金員の支払を受けるのと引き換えに本件貸室の明渡しを求めた事案である。
なお,原告は,本件訴訟からの脱退を申し出たが,被告は原告の脱退を承諾していない。

出典)ウエストロー

POINT渡辺先生から一言

判例2は、普通借家における正当事由に関する判例です。
都心部でのビル1階の店舗明渡請求に正当事由が肯定されたケースであり、昭和46年に建築されたのビルの建替えの事案において、賃料月額150万円、立退料3237万円と言う立退料によって、正当事由が認められました。
すでにご紹介済み(7月掲載)の東京地裁平成26年12月19日(建築後43年のビルにおける、月額賃料共益費合計150万円の店舗についての、立退料3237万)とあわせてみると、都心繁華街のビルでも、穏当な立退料のもとに明渡しが認められるようになり始めており、裁判所も、建物の安全・安心に対して、常識的な配慮をするようになってきていると感じられます。
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