一般財団法人 日本ビルヂング経営センター | Japan Building Management Institute

地裁判例【建物明渡請求事件(正当事由の有無・建物老朽化)】

 

裁判年月日  平成27年 9月17日  裁判所名  東京地裁  裁判区分  判決

事件番号  平25(ワ)32629号

事件名  建物明渡請求事件

 

主文(抜粋)

 1  原告の請求をいずれも棄却する。

 

事実及び理由(抜粋)

第1  請求

 1  被告らは,原告に対し,別紙物件目録記載4から6までの建物部分(以下,併せて「本件店舗」という。)を明け渡せ。

第2  事案の概要

 本件は,被告Y社との間で本件店舗の賃貸借契約を締結した原告が,同賃貸借契約は,原告が正当事由の存在する更新拒絶をしたことから期間満了により終了したと主張して,被告Y社及び同被告からの適法な転借人である被告医療法人社団W(以下「被告医療法人」という。)に対し,上記賃貸借契約の終了に基づき本件店舗の明渡しを求めるとともに,被告Y社に対し,同契約に基づく目的物返還義務の履行遅滞による損害賠償請求として,同契約終了後の本件店舗の賃料相当損害金の支払を求める事案である。

 

全文は → こちら

 

出典)ウエストロー・ジャパン

 

 

 

渡辺先生から一言

 銀座のビルにおけるクリニックの賃貸借について、明渡請求が認められなかった事案です。

 賃貸人からは、敷地の有効活用などを理由として正当事由の主張がなされ、裁判所も『耐震性の補強のために建替えではなく,耐震補強工事を行うことを強いることは経済合理性を欠くものとして相当ではないというべきである。また,同工事を行う方法によったとしても本件賃貸借契約をそのまま継続することができないことからすれば,原告(賃貸人)に,aビル建替えの必要性を認めるのが相当である』としました。

 しかし、

患者に対する継続的な治療を要すると認められる美容医療を提供する本件クリニックは本件店舗における同医療の提供を継続する必要性が高いと認められることなど,被告ら(賃借人)が本件店舗を使用する必要性も認められる。このような場合,建替えの必要性を根拠に,賃借人の意思にかかわらず賃貸借契約を終了させる更新拒絶を行う賃貸人に正当事由があるというには,当該更新拒絶を行う時点で,賃貸借契約終了後には直ちに賃貸目的物の占有を回復して建替えに着手できる程度の具体的な建替計画を有している必要があるというべきである。

 

本件更新拒絶の時点で,原告が具体的な建築計画を有していたとは認められない。』

という理由で、正当事由を認めず、賃貸人の請求を否定しました。

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